「Love」と「Like」の使い分け

2009Nov.09

外国映画やドラマを観ているとよく「I love you.」という表現を耳にしませんか?
「Love」の日本語訳は「愛」です。そのため日本では「I love you.」というと、恋人がお互いの愛情を確かめ合う場合に使う言葉、と理解されている方が多いかも知れません。

しかし、英語圏では「Love」が恋人同士だけでなくもう少し広い範囲で、例えば夫婦の間や、親子の間でもよく使われます。子供が「ママ大好き」といって抱きつくシーンであれば、「Mammy, I love you!」と「Love」を使います。この「Love」には敬愛のニュアンスが含まれているのです。

では「Like」はどういったシチュエーションで使われるのでしょうか?
例えば「I like your suit.」「I like your dress.」「I like your tie.」などのように、相手が身につけている物をほめる際によく使います。また、物だけではなく「I like your idea.」「I don't like your thinking.」などのように、抽象的な名詞に対して使う場合もあります。これらの「Like」は「~が良いね!」というフレンドリーかつ暖かい表現と言えるでしょう。

ただし、「Like」は使いどころを間違えると酷い目に遭うかも知れません。「Like」は日本語で「好き」という好意的なニュアンスを含む言葉ですが、意中の相手に使う言葉ではありません。例えば、男性が女性に対して「I like you.」と言うと、「I like you, but I don't love you.」という意味にとられる可能性があるのです。「この男性に愛してもらいたい」と思っていた女性は、大変失望することでしょう。くれぐれもご注意を。

また、アメリカの児童心理学者は子供に対して「I like you.」ではなく「I love you」を使うように配慮しているそうです。ほんのわずかな言葉の違いで、子供との間に安定的な信頼関係を築くことが出来るかどうかが決まるからです。「Love」には「Like」にない「心からあなたを思っている」という深いニュアンスが込められているのです。

それ以外に、仲のいい友達や遠く離れた親しい人に手紙を書く際も文末に「Love, mom」や「Love, Cindy」といった風に「Love」を付ける場合があります。この「Love」は「それじゃ、またね!」「では、お元気で!」といった少し軽めのニュアンスを含んでいます。

ただ、少し軽めのニュアンスだからといって、誰に対しても付けるのは良くありません。余り親しくない人には、文末に「Best wished」や「Regards」などと付け加えるのが相応しいでしょう。

外国人と交流・交際する場合は、「Like」と「Love」を上手に使い分けてください。