語学習得指南

外国語をマスターするポイント

言葉はその国の文化であり、生活する上で大切な自己表現の道具であると同時に、 相手を正しく理解するため人間に必要な能力です。従って、正しく、正確に伝達できるに越したことはありません。 しかし、最初から思うように外国語を操って対話できる人などいないでしょう。 それは、長い歳月と努力を積み重ねて練習してきた人にだけ得られるご褒美のようなものなのです。

外国語を話す人にはいくつかのパターンがあります。

  1. 母国語を話すように流暢に話す人
  2. 表現方法に間違いはあるが十分相手に自分の意志を伝えて、受け答えができる人
  3. 基本的な間違いをクセのように繰り返すが何となく対話のできる人
  4. こちらの言っていることは判っているが、返答の反応がはっきりしない人
  5. 単語や語句のみをつなぎ併せて話す人

など様々に分類できます。 これらの人は外国語によるコミニケーションが可能な人と判断でき、外国語の習得に努力してきた人です。

反面、訓練中に努力を重ねて、何年学習しても上達しない不器用?な人、或いはやる気を出ない感じの人、 いくら外国人に文型や、表現力を修正されても一向に耳を貸さず同じ間違いを何回も繰り返す人、 基礎力が不足しているにも拘わらす高度な内容に固執して、基礎対話力が進歩しない人、 やたらと学習教材の内容に不満をぶつける人、指導 講師にわざわざ困難な質問などをする人などにも遭遇します。

人には得手 不得手があります。 いかなる技術や能力を習得するにせよ、基礎的なものをしっかり固めて、その土台の上に訓練を積み上げ、 能力を高めていくのが真の実力者になる常道といえるでしょう。

学習者として大切な心得

いつも積極的に

いつも受け身の態度は止めよう(積極的に話しかける行動をとる)

外国人の先生は、何の質問もしなかったり、判ったように振る舞っている日本人学習者には、 すべて自分の言っていることが判っていると判断し、あなたの理解度や、 あなたが語学を身につけたいから学習しているという立場に気づかない傾向があります。

語学のクラスで静かにしている学習者を”お客さん”と言います。 お客さん扱いされてはいけません。外国人の先生はクラスでは話し相手として利用し、 自分の語学力を高めるのみに傾注する努力が大切です。 それが苦手なら、語学学校にわざわざ通う必要などありません。先にも述べた通り、自分で学習する方が、よほど能力が向上します。

  • 学習目的や、自分の目標をはっきりさせ語学に取り組む
  • 英語学校に払う大金を有効に使う心構えが必要
  • 英語学校選びは慎重に
  • 体験入学にだまされない
  • 最初から高額の授業料を払わないこと
  • どんな先生がいるのか前記の項目を確認してみる
  • パンフレットや、雰囲気だけで学校を決めない
  • 外国人教師はクラスで利用することを考える
  • 判らないのに、判ったふりをしない
  • 納得できるまで説明を受ける

こんな外国人先生もいることも知っておこう

授業中に Do you understand?, Any questions? , OK? ばかり繰り返す

こうした先生は自己満足度を自分で確認しているだけと思って下さい。

応募してくる外国人にこんな人がいる

名前、経験、学歴、職歴など何も自ら語らず、いきなり電話口で、、、

  1. How much do you pay per hour ?(時給はいくら?)
  2. How many students in one class? (学生は一クラス何人)
  3. What materials do you use? (教材はどんなのを使う?)
自国語が出来るだけで語学の先生になれると錯覚している

仕事を探しているのであれば先ず、マナーをわきまえ、初対面の他人に正しく自分をアピールし、 理解させる心構えがほしい。どこの世界でかような電話表現が通用するのかと考えさせらることがあまりにも多い。 人格のない、講師としての情熱に欠ける外国人は自国語が話せる人にすぎない。

語学を自分のものにするにあたって知っておきたいこと

語学力は何かの資格でなく、自力でつける能力の一つである

  • 外国人の言っていることが理解できないのに、頭を(上下)して分かったようなふりをしない
  • 外国語は先ず自分で基本を身につけてから学校に入る(学校は語学習得ののツールと考えること)
  • 語学学習は独習で出来ることが山ほどある
  • 語学力の上達にはたゆまぬ努力が必要。
  • 他力本願(誰かが教えてくれる)では語学力は伸びない
  • 言葉はその国の文化の基本要素である
  • 一旦言葉の勉強に取り組んだら途中でやめない
  • 外国語だけが話せても自分の人生に役立とは限らない(何か一つ別の特技をもつこと)
  • 外国語は仕事で使えてなんぼだ!
  • 真剣に取り組まないのであれば、最初から語学を始めない
  • 語学の訓練は体力を鍛える運動に等しい
  • 語学の修得には時間とお金が必要(中途半端な心構えでは上達しない)
  • 一旦決意したら10年間は続ける
  • 途中で挫折しても、また再開する
  • 自己能力の開発には時間と努力が必要
  • 語学力の向上には焦りは禁物(あくまでマイペースで)
  • 今の自分の技術に語学力をプラスし人生は充実する
  • 語学の訓練は日常の生活の中で習慣づけがが大切
  • 毎日毎日少しでも自己鍛錬することで上達を早める
  • 言葉は教えてもらうのでなく使って磨くもの(自分から積極的に憶えていく覚悟が必要)
  • 難しい表現よりも、身近な言い回しを沢山憶える
  • 文章の仕組みや組み立て方を頭にしっかりたたき込む
  • 外国人の学ぶと言う発想は日本人のそれとは全く違うことを知ること
    (外国人は能動的で、自分から何かを知ろうとする意欲が強く、 待っていても誰かが教えてくれるという受け身的(受動的)な感覚はなく、自立心の強い人が多い)
  • 外国人先生と対話の時は、あなたが授業料を払い、雇っているという気持ちで利用する。
  • 一年間毎日少しずつ訓練していれば、簡単な会話は十分話せて、聞くことが出来るようになる。
  • あなたの努力は必ず結果として現れることを自分に言い聞かせる(暗示)ことが大切。

英会話が「聞くだけで、できるようになる」は、教材を売る側の宣伝だ!

外国語を、ただ聞き流しているだけでは、話せるようにも、聞けるようにもならない。 対話や会話内容を理解せぬまま何度繰り返し聞いても大意を掴むことさえ困難である。 意味の判らぬ言葉を聞いていてもだんだん疲れてくるだけである。

即ち、人間同士のコミニケーションのツールとして使われる言葉は双方向の対話で 成し遂げられることを知っておきたい。語学習得方法にはには魔法も王道もない。 言葉の練習は、英語に限らず、その言語を使って対話を繰り返し実行することで上達する。 外国語を聞いているだけで、宣伝通りに上手くなるのであれば勿論それに越したことはないが、 そうはいかないのが外国語習得の難しさであることを認識しなければなならい。

新聞や雑誌にある英語教材広告をみて、”聞いているだけで英語が出来るようなる” は99.9%売り手の都合の良い宣伝文句に他ならない。仮にその事実があったとしても万に一である。 その万が一に自分が相当すると思うならそれを信じて行動を起こすことも自己責任の範囲である。 しかし、その広告に迷わされて大金で教材を買おうとするならば、一攫千金を狙うに等しい自己喪失行為である。

言葉の習得は自分の期待通りに進んでいかないのが万人の共通の悩み。 雑誌や新聞広告にある「聞いているだけで英会話ができる」等の教材は、 世界のどこを探しても見あたらない日本特有のもの。 広告内容は自分で精査して、先ず自問してから判断する心の余裕がほしい。

言葉が出来るようになるには20年以上の歳月が必要!!!

語学の習得には先ず自分の目標や目的を確定してから取り組むこと。 なぜなら語学上達の極意など、どこを探してもこの世に存在しないのである。 強い意志を持って練習に励む以外に実力が向上させる答えはない。

先ずは外国語の基礎をしっかり理解して。話すこと、聞くことを併行して実行する。 その過程で文章を多読しながら語句や語彙を文中で記憶していく。 憶えた語句や表現を実践会話の中で使い、相手と意志の疎通が出来るかどうかを確認しながら、 少しずつ会話力を伸していくことが大切である。

現在外国語がとても上手な人でも、長年に渡って、練習に練習(聞く、話す、読む、書く、 表現を憶えるなど多角的に)重ねて並々ならぬ努力をした結果、大きい成果となって現れたのである。

会話能力を自分のもにするには、磐石な基礎を作り上げ、堅牢な目標と意志を土台に練習や訓練を 継続していく強い精神力が要求される。 お金があれば有形物品は誰でも買えるが、能力は無形の自己財産であり、 投資して着実に憶えていく努力以外に方法はない。 世の成功者は自分の願望を達成するため、その志を断念することなく、かつ執念深く追求したのである。

今、社会では語学の教材が無数に出回っている。 数千円も出せば自分の基礎力を強化できるテキストやCDなどいくらでも手に入る。 それらを充分活用し少しずつでも練習していけば半年、一年で結構な能力レベルまで持ち上げることができる。 ここで大事なことは、日常でよく使う簡単で、短い表現を出来る限り、多く憶えていくこと。 そして徐々に自分に負荷ををかけながら難易度を上げていくようにする。

高価な教材で、片寄ったリスニング練習よりも、万人がなし得たバランスを重視した(聞、話、読、書、憶) 練習で階段を一歩一歩昇るつもりで能力開発に努める。 従って、世にある語学教材のすべては、あなたの学習や訓練を補助する道具であり、 それをどのように使いこなして能力進捗につなげるかは個々の課題である。

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語学の習得は焦らずに

私たちは長い間(小学校、中学校、高校など)の教育を受け、親や周囲の影響下で 日本語が話せるようになったことを考えると、外国語習得もそれ相当の自己努力と時間を費やすことによって、 成し遂げられることを認識しなければなりません。

言葉はその国の文化であり、その言語の背景には長い長い歴史的事実が存在します。 それらの文化的要素が含まれた言葉や言語を一丁一旦に習得しえないことは誰にでも理解出来ます。 従って、十分な時間をかけて練習し、理解しながら言葉を使っていく努力が必要となります。 日々のたゆまぬ鍛錬を通して語学力は自分のものとなっていきます。

その過程では、自信を喪失したり、くじけたりすることもあります。 そこで、自己鍛錬の強い精神を養うことが肝要です。 この日々の繰り返しの努力なくして、あなたの語学力がある日突然飛躍することはあり得ないのです。

多くの人々が語学習得のため取り組んでいますが、一握りの人しかその目的を達成出来ていないのが現実です。 堅い決意で語学に取り組んだ以上、今後の目的や目標、自分の生活環境、特性や欠点を自覚して、 自分信じて実現可能な計画のもとに外国語の習得に取り組むことをお勧めします。

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投資効果を上げるには

語学の習得には大きい経済的負担を伴いますが、それを長期間続けることが重要です。 先ず、自分のことを客観的にかつ冷静に見つめて、大切な自分の将来に価値ある投資をする決心が必要です。

外国語は、誰でも、いつでも容易に始めることが可能ですが、思うように能力が進捗していかないときに心に迷いが起ります。 それが原因になり、挫折感につながっていく可能性があります。

そこで、これからご提案するのが、自分の考えを客観的に見つめるヒントとなる項目を挙げてみました。 それを「語学習得適応性診断項目」と呼んでみることにします。 これらの項目を読みながら、自分自身に問い正してみては如何でしょうか。

  1. 自分は本当にやる気と意志があるのか
  2. 何故今自分に語学が必要なのか
  3. 継続的に鍛錬できる性格なのかどうか
  4. 飽きることなく何回も繰り返し覚える自信はあるか
  5. 最低3年以上(700時間程度)持続が可能か
  6. 語学の習得時間を生活習慣の中に組み入れることができるか
  7. 多額の投資をして異なった文化や考えを吸収する覚悟はあるのか
  8. 目標を定めてハードルを越えるまで走り続けることができるか
  9. 自己のペースで、定期的に自己研鑽可能か
  10. 他力本願の発想はないか(教えてもらうでなく、能動的になれるか)
  11. 困難に直面しても初心を忘れず自分をふるいたたせることができるか

上記の自問自答の中に3つ以上の疑問点があれば現時点では「語学習得不適応」に該当します。
「参考」語学の習得には2000時間の訓練を要する。(毎日5時間の訓練で約2年間かかる計算となる)

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英語を人間の体に例えると

語学の習得は言葉を繰り返し実践する単純運動であり、 知識として得たものを能動的に使っていく知恵と度胸により進歩に差が出ます。

話すこと、読むこと、聞くこと、書くことを併行して繰り返し練習して、 文化の違いから来る表現方法(発音、アクセント、イントネーション、リズム感、文章の仕組み) 及び慣習全般を理解する必要があります。

語学の訓練は基礎をしっかり作り上げることから始めましょう。 何事においても基礎訓練は非常に大切です。 その土台がしっかりしていれば、基礎訓練に時間がかかっても、結果的には能力の向上が速まり、 安定した語学力が完成されます。

英語を人間体に例えると骨組み、肉つき、血液、それに皮膚のようなもの等から構成されています。例えば

  1. 文型、構文の仕組みを理解すること(骨格の形成)
  2. 英語特有の発音、語のアクセント、リズム感をつかむこと(筋肉をつける)
  3. 語句、単語、決まり文句をしっかり覚えること(肉つきと血流を良くする)
  4. 英語特有の冠詞(a, an, the), 前置詞(at, on, 等様々)副詞、形容詞用法と使い方を理解すること(身だしなみ)
  5. イデオム(慣用句)を巧みに使う(きれいな皮膚を保つ)

言葉(英語)の基本要素を理解するために分解しました。 外国語ができると言うことはこれらの要素の全てを満たす必要があります。

これらの中に一つでも不都合な要素があれば(人間であれば体調不良の箇所があるのと同じ) 外国語のコミニケーション能力としては充分とは言えないのです。 勿論、母国語でない言葉を完璧に駆使することは至難の業ですが、これらの要素は基本として押さえておきたいものです。

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独習の可否

語学の習得には独習が可能なものと、そうでないものとに分類する必要がある。

A) 独習可能な内容

  • 文法や基礎文型の理解
  • 文章を読む、内容を訳す練習
  • 文章を書く練習
  • 聞く練習
  • 語句や単語を覚える

B) 独習が困難な内容

  • 対話・会話の練習(実践会話)
  • 発音の矯正、その他(リズム感、イントネーション、アクセント等の矯正も含む)
  • 文法上の間違い、文章の語順、語・語句の正確な使い方の矯正
  • 文章作成した後の矯正
  • 質疑応答の練習

項目"A"は理解できるまで自由自在に独習可能であるが、"B"の項目は指導者を必要とする。 外国語をマスターするにはその国の言葉を話せる人を対象としなければ本来の目的は達成できない。 たとえそれが講師であり、友人であっても対話の相手となってくれる存在が必要である。

従って、前者は自分のやる気と努力により可能となるものであるが、後者は第三者の指導を受けない限りは 本来の話す能力は進捗しない。 そして、ある程度の予算を自己開発のために定期的に投資する覚悟がいる。 これらを上手く動かせるには、自分に対してそれ相当の負荷をかけながら、 独習と対話練習をバランス良く保ち、持続させる覚悟がなければならない。

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文章構造を理解する

文章構造は日本語のそれとは異なるものが多々ある。英語特有のものとしては。

前置詞

for, at, on, in, under, up, out, over, between, through, behind, from, to, above, before, after, of, off, with, by, until, within, without, across, along, among, around, inside, outside, below, but, beside, but. until, toward, next to, instead of, etc.

冠詞

a, an, the

形容詞

any, some, much, many, more, better, lot, plenty, few, little, bit, high, low, tall,small, large, big等は 後に続く名詞の種類によって使い分けをしなければならない。

副詞

形容詞の後に{ly} を付ける用法

語の変化

sやesを語の後に付けるもの、yをiに変えてiesと変化させるもの、その結果、三人称に変化したり、 複数形に変化するものなどがある。

動詞と助動詞の変化

現在、過去、未来、過去分詞、進行形により動詞や、助動詞を併せて変化させる必要がある。

前文を否定するもの

I don't think it will rain tomorrow. (明日は雨が降らないと思います)は、英語では、 「明日は雨が降るとは思いません」となり、2文節ある場合は、前文を否定することが多い。

付加疑問文

「~でしょ?」や「~ですよね?」等の表現は、英語ではTag questionsと言って文章の後につける。

例文
  1. You're are a businessman, aren't you?
  2. He is not a student, is he?

ここで注意をすることは

  1. 前文が肯定文の時は、否定のTag questionをつける
  2. 前文が否定形であれば、肯定のTag question をつける

この様に英語独特の事柄に注意して学習しいくとことをお薦めします。

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